さて節分の夜。 習わし通り柊の枝に鰯の頭を刺し、炒り豆を用意した私たちだったが、 いよいよ豆まきを始めようとしたときにひなこがぽつりと呟いた。 「追われた鬼さん、どうなるんでしょうか? 外は雪が残ってるし……寒くないでしょうかね……」 「鬼パンツし…
「この作品の銘はご存知ですか?」 私のその言葉に彼女は意外そうな顔をした。 「銘……?」 「銘なんてあったの? こんな名もない人のものに?」 「奥様のお父上はきっとたくさんの……色々な想い。 それは焦りだったり口惜しさだったり妬みだったり――そんな人…
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