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逢魔時堂

逢魔時(おうまがとき)は昼と夜が移り変わる時刻。人の目が宵闇の暗さに順応する前の状態にある時間帯のことを言うのだそうだ。闇に慣れると人の目は宵闇の暗さに慣れ、暗闇の中でも物の形が区別できるようになる。それは、人の心の闇もまた。

9.唐土の鳥.1

 表初恋さくら通りコスプレ祭「百喜夜幸」は大当たりだった。
 
 今後は市や県のバックアップもとり、年々その規模を大きくすると会長、副会長の鼻息も荒い。
 
 このネーミングはひなこが甘酒に酔いながらこの字はどうだ?――と提案したその五分後には鬼太郎目玉おやじが押しかけたマスコミを前に得意満面で発表していた。
 
 その上「正月三が日、この通りを歩けば一年間喜びごと、幸せごとが続く、という言い伝えがあった」
などとどうもこの時に即興で作ったと思われる言い伝えを発表したものだから通りはなおさら大変な賑わいとなり、
またいつの間にかコスプレで行くとよりご利益が上がるという後付の伝説まで生まれたらしく、
通りは妖しのコスプレ者たちが闊歩している。
 
 表通り商栄会は日頃は裏側だと言っていたはずのシャッターを開け、いつの間に用意していたものか
「狐火饅頭」、「いいことあるべしゆべし」、「鬼招き七草セット」、「夫婦円満鬼ばばステテコ」に「素肌いきいき塗り壁パック」などなどなんでもありの状態で、
どんづまりの逢摩堂はいわば妖しの象徴で聖地とやらに位置づけられたらしい。
 
 なんでも黄昏時に「逢摩堂」の看板は「逢魔時堂」にいつの間にか店名が変わり、それを目にした人は一生幸せになれるらしいのだ。
 
 元旦の日中は二礼二拍手一礼で拝んでいくツアー客やら店頭でポーズを取って記念撮影していく家族連れやら、
中にはこわごわといった体で店内に入り、私たちが出て行くと悲鳴とともに逃げ出す子どもたちやらが続出するといった塩梅で、
店の前には長い行列ができる始末であった。
 
 また夕暮れが近くなると今度はカメラの三脚を抱えたマニアやらデジカメやスマホを持ってその瞬間を捉えようとたくさんの人たちが逢摩堂を取り巻いている。そんな中、
 
「はいはい、ごめんなさいよ。ちょっと開けてくださいましょ」
 
 と言いながら入ってきたのは三が日はこのコスプレで過ごすと決めたらしい鬼太郎会長と目玉おやじ副会長である。
 
「はいはいはい、ひいふうみいこさん、これこれ。こんなもん用意してきたから」
 
 二人が持ってきたのは二つのスタンプと、いかにも手作りらしいスタンプカードの束だった。
 
「いやいやいやぁ、もうもう我らが鬼太郎のアイデアときたらもう留まるところを知らん勢いじゃ!」
 
 目玉おやじ鬼太郎をばしばしと叩きながら叫んだ。
 
「さあさあこのプラン、逢摩堂美女軍団にも早速協力してもらわんとな! 
わしはえーっと、ちょいと前におる連中に伝えてこんと!」
 
つづく
 
 

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